あなたは、以下のような仮設トイレを使った事があるでしょうか?
- 4時間のトイレ待ち行列
- とんでもなく汚い
- わずかな水しか流れず、すごい悪臭
- 灯りがほとんど無く暗く、冬は寒い、夏は暑い
- 手洗いが出来ず、ウイルス感染のリスクが高い
これ、被災時の避難所の仮設トイレを表したものです。
こんなトイレ絶対使いたくないですよね・・・。
だからといって、トイレを避けようと水分を控えたり、食べないないと、健康を害してしまいます。
水分が不足すれば、血栓が出来やすくなり、エコノミークラス症候群のリスクが増大します。食べなければ、免疫力が低下し各種病気の原因となるでしょう。
高齢者や持病のある方にとっては、致命的となるかもしれません。
ヒトがヒトとして生きるのに、“水とトイレ“という要素は削れないのです。
災害時は、停電や断水の影響で通常のトイレは利用できなくなります。
その為、家庭では簡易トイレや水の備蓄が必要になるのです。
そして、簡易トイレの備えが無い人々は、上記の様な避難所の”地獄のトイレ”を使用するしかなくなります。
小規模地震なら平気でしょう。でも、大地震の時は必ず後悔する事になります。
その時に後悔しても、もう手遅れ・・・。
もし、まだ簡易トイレを備えていないのであれば、少量でいいので、すぐに備蓄する事をオススメします。
どんな簡易トイレを、どの程度備える必要があるのかは、記事後半にて説明しますので参考にして下さい。
今回の記事は、特に、
・大きな災害未経験の方
・トイレパニックと言われた惨状を経験した事がない方
には、是非知っておいて欲しい内容です。
「いやいや、トイレ位なんとかなるでしょ!」
とか。
「最悪、避難所に行くから、避難所の仮設トイレを我慢して使うよ」
と考えている方。
それ、本当に後悔しますよ・・・。
もし、大丈夫だと思うなら、これからお伝えする“経験者が地獄と表現する状況“でも受け入れられるか?だけでも確認して頂ければと思います。
それでも大丈夫!という方は・・・はい、とめません(^^;)
この記事を読むと、以下を理解する事が出来ます。
- 大規模災害時の地獄的トイレ事情
- 災害対策でいかに簡易トイレ備蓄が重要か?
- 備えるべき簡易トイレと必要な備蓄量
- 多めに買っておくべき意外なモノ
災害時、絶対にトイレを流しては駄目な理由
配管が損傷している可能性
大きな災害時には断水や停電が起こり、通常のトイレが利用出来ません。
それでも、貯めたお風呂の水などがあれば、流す事は出来るかもしれません。
しかし、大地震の場合は、下水配管が損傷している可能性があるので、安易に利用再開してはいけないのです。
無理に使用すれば、汚水が漏れて大惨事になる可能性があるのです。
マンションなら、下の階から損害賠償を求められるかもしれません。
「そんなの知らないよ、災害時だから、そうなっても仕方ない」というなら、自分が被害者だったら?どうでしょうか。
災害時に、上の階の住民がトイレを流したせいで、汚水漏れが発生。あなたの家の寝室が汚染された時、仕方ないと諦めるでしょうか?考えてみて下さい。
未だに避難所のトイレは深刻な問題を抱える
3日でわずか34%!進まない仮設トイレ設置
そもそも、仮設トイレは常設されていませんので、業者が設置しなければなりません。
学校などの避難所となる場所は災害時、避難者が来ることは想定されています。であれば当然、災害時にはすぐに設置されると思いますよね。
しかし、現実は全く違います。
東日本大震災に関する政府の調査結果によよれば、
3日経過後までに仮設トイレが設置出来た避難所は、わずか34%しかありませんでした。
そう、仮設トイレはそんなにすぐ設置されないのです。
恐怖の素堀トイレ
阪神淡路大震災の時はトイレが無くてどうにもならず、所かまわず用を立す人が続出し衛生環境が著しく悪化したとの記録があります。
東日本大震災では、避難所のトイレが使えず、縦穴を掘って板を渡して素堀のトイレを作り対応した所もあったようです。
このトイレを使うのを想像してみてください。清潔で安全に整備されたトイレに慣れた日本人にとっては現実とは思えない状況のはずです。
長蛇のトイレ待ち行列
仮に避難所に仮設トイレが設置されても、収容人数に対して仮設トイレの数が足りていません。
数少ないトイレに沢山の人が押し寄せるので、当然、大行列となります。
東京都のあるシュミュレーションでは、待ち時間が4時間程度になる場合想定されています。
ちなみに、このトイレ待ち行列、屋根も無い環境で長時間待つことになります。
夏の炎天下や雨、冬場など、環境が悪ければ、それだけで体調を崩すかもしれません。
悪化する衛生環境
また、仮設トイレには十分な清掃が入らないので、仮設トイレの衛生環境はあっという間に悪化します。
こんな衛生環境なので、トイレの後は入念に手洗いをしたいと考えるはずです。
でも、災害時、水は貴重なので手洗いもまともにできません。
ノロウィルスやインフルエンザなどを含めて、避難所では、ウイルス感染のリスクが極めて高くなる問題があるのです。
あふれるトイレ
仮設トイレの便漕容量は約450から500リットルです。
それでも、途切れる事無く利用があるので、便のタンクは2日と持たず満杯となってしまいます。
満杯になると使用が出来なくなり、バキュームカーでの回収が必要になるのですが・・・。
お察しの通り、回収需要に対してバキュームカーが足りないので、収集が追いつかないのです。
時代を経ても改善しないトイレ対策
過去には、東日本大震災を含めて、災害に対してかなりの教訓があります。
さすがに、もう、十分な対策がされてると思いますよね?
しかし、2017年の調査でも、災害時にトイレが不足すると考える自治体は7割を超えるとの調査結果があります。
つまり、分かっているのに対策出来ていないのです。
人間の尊厳に関わるトイレで、課題があるのに対応出来ない行政。
つまり、この地獄のトイレ問題から脱出するには”各自が備える”しかないのです。
簡易トイレの必要量
政府では、平均的なトイレの回数を1日1人5回としています。
断水などが回復するまで約2週間(応急給水は5日)なので、
1人あたりのトイレ回数は1日5回 × 14日 = 70回となります。
つまり、70回分の簡易トイレを用意しておけば良いことになります。
とはいえ、個人的には、1人50回分も用意しておけば十分ではないかと考えています。
(長期化する場合、小は2回使うなど工夫して節約)
私がオススメする簡易トイレは以下のタイプです。
BOS (ボス) 非常用 簡易トイレ セット 50回分
百均の携帯トイレは出来れば避けたい
百均には様々な防災用品が売っています。
しかし、私の見解では、耐久性や性能的に劣る製品がかなりあると感じています。
いざという時に「使えませんでした・・・」
という事にならないように、しっかりとした製品を選ぶ事をオススメします。
また、百均で販売されている簡易トイレの多くは、いわるゆ“小さいほう゛を前提としています。
当然、゛大きいほう゛用の準備も必要となるのでご注意下さい。
予備を多めに買っておくべき意外な物
災害時、毎度、笑えるほど無くなるのがトイレットペーパーです。
もはや意外でもないですね(笑)
トイレットペーパーは、かなり多めに備蓄しておくのが良いと考えます。
これは、次回の災害時も高い確率で、買い占めが起こる可能性があるからです。
さらに、災害時は避難所などでもトイレットペーパーが不足すると予想されている事も要因の一つです。
また、地震や津波でトイレットペーパーの生産拠点がダメージを受けると、かなり長い間供給が止まることになります。
こうなると、トイレットペーパーを強奪するなんて、馬鹿らしい事件も起きかねません。
家にスペースがある方は、平時から常に多めのトイレットペーパーをストックしておきましょう。
水とトイレは絶対必要
私は「災害対策で重要な事は何?」と聞かれた時、
まずは水、そして簡易トイレと答えています。
どちらも、ヒトが生きるのに必須の要素で、1つでも欠ければ避難所生活は避けられません。
もし、この2つの備蓄が足りないなら今すぐ備えることを強くオススメします。
水の備蓄については以下の記事を参考にして下さい。
まずは10個程度でいいので、簡易トイレを準備しましょう。
是非、これを機会に、今から出来る災害対策を取って頂ければ何より嬉しいです。
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