一般的に、防災において水の備蓄は、以下の様に言われます。
・・・が、実はこれ全部間違いです。
このような”古い常識を持っている方”には、是非、読んで欲しい内容です。
・1人あたり1日3L備えれば良い
→実は足りない
・3日分備えると良い
→実は足りない
・水は定期的な更新が必要
→実は更新しなくても大丈夫!
この記事を読む事で、以下を理解する事が出来ます。
・1日3Lではダメな理由
・3日分の備蓄では足りない理由
・あなたに本当に必要な水の量
・本当に安心出来る、水備蓄の必要量
そして、
“水備蓄は更新が必要”
という常識から解放されます。
<結論>
ヒトが生きるためには、水が絶対条件です。
ヒトは、体重の5%以上を失うと身体に異常が発生し、
失った水分は補給するしかありません。
一般的に災害対策では、
1人あたり、3Lを三日分備える事が推奨されています。
しかし、夏場や避難、救護活動を前提とするなら、
3Lでは全く足りません。
また、大規模災害では応急給水の支援が遅れると、
3日分の備蓄あっても足りない可能性が分かってきました。
防災備蓄として必要な水の量は、
1人あたり、4L×最低5日分=20L
(理想は一週間分、約28L)があれば安心して良いでしょう。
長期保存に対応したミネラルウォーターは、
無菌状態に保たれています。
不都合な真実なのか、誰も教えてくれませんが、
実は、悪環境を除いて、期限を大幅に過ぎても、
腐ったり、飲めなくなる事はありません。
水の備蓄は、賞味期限内に定期的な更新をするのが理想ですが、
無理して更新する必要は無いのです。
水は呼吸の次に重要
人のカラダの約60%は水で出来ています。
ヒトは、3日間、水を摂取出来なければ、死に至ります。
水を摂取しないと、失った水分量によって、以下のような症状が出ます。
・体重の2%の水を失う:喉の乾きを感じる
・体重の5%の水を失う:頭痛など異常
・体重の10%の水を失う:深刻な身体異常
・体重の20%で命の危険
そして、失った水分は、外から補給しなければなりません。
ヒトが生きるのに必要な水の量
ヒトが生命を維持するのに必要な水の量を、
簡易の算出式から算出してみましょう。
必要水分量(ml)/日 = 35ml × 実測体重(Kg)
引用元:奈良歯科医師会
https://www.nashikai.or.jp/hm/koushin/2017/mes_201703.pdf
例えば体重70kgの人なら、
35ml × 70kg = 2,450mlとなります。
これは、成人が一切動かなくても失う水分で、
同量の水分を補給できなければ、脱水状態となります。
毎日、水をそんなに飲んでないよ!
と思うかもしれませんが、それは食べ物にも水がかなり含まれるからです。
水は何日分備える必要があるか?
結論を言えば、
”断水が解消するか、給水車が水を供給してくれるまで”
耐えられれば良い事になります。
このような場合、最悪のケースを考えるとキリがないので、
特殊な事情を除いて”大多数が困難を脱するまでの期間”を考えます。
断水が復旧するまで、二週間
参照元:厚生労働省 東日本大震災の被害状況と対応https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/tantousya/2011/dl/01_3_05.pdf
3月11日、160万世帯で断水が発生しました。
それが、4月3日時点で、断水世帯は20万世帯まで改善(約10%以下)
つまり、9割回復するのに20日以上掛かることが分かります。
ただ、基本的には、通常の被害(幹線水道が損傷などを伴わない)であれば、
2週間程度で断水が復旧しているようです。
給水車による支援開始までは5日
給水車の配備がピーク=需要が満たされたと考えると、
広域災害の場合、5日程掛かるようです。
参照元:広域災害時の応急給水能力に関する考察https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejseee/68/4/68_I_930/_pdf/-char/ja
つまり、5日分の備蓄があれば応急給水が始まるまで耐えられる。
という事になります。
この結果から、オススメの備蓄量は最低5日分。
余裕を少し持ち、1週間分あれば十分だと考えます。
防災に必要な最低限の水備蓄量
ここまでに、以下の2つが分かりました。
1.生命維持に必要な水の量
→ 体重70Kgの場合2450ml
2.備えが必要な期間
→ 5~7日分
しかし、だからと言って単純に、
2,450ml×7 = 約17Lを備蓄すれば良い。
とはならない点に注意が必要です。
というのも、災害時は、救護活動、避難、被災生活に必要な活動をするので
”ずっとジッとしている”わけではありませんよね。
その為、ある程度は”活動を前提として水の量を考える必要があるのです。
活動に関わる発汗量
では、活動時に失う水の量はどれ位か?
これは、以下の計算式で簡易計算出来ます。
体重(Kg) × 行動時間(h) × 5ml
例えば、体重70Kgの場合、
2時間、避難や救助などを行うと発汗量は約800mlとなります。
脱水状態になるまでの時間
1日2時間程度の活動を前提として、
体重70キロ場合、2%の水分を失うまでの時間を計算します。
まず、避難や救護活動で水分を失います。
1,600ml(2%の水分)- 800ml(活動で失う水分) =800ml
その残りを基礎代謝で失う時間は、
800ml(残りの水分)÷125ml(何もしなくても失う水/時間)
=6.4時間となります。
さらに、そのまま水を摂取しなければ、
2,100ml÷125=16.5時間
その後、16.5時間で5パーセントの脱水状態(合計3,500mlの脱水)となります。
つまり、被災開始から23時間程で深刻な脱水状になるという事です。
1日3Lだと足りない
1日2時間程度活動するとすると、1日に代謝される水の量は、
何もしなくても失う水分量2,450ml(上記説明参照)
+800ml(活動で失う水分)=3,250mlとなる。
防災の常識では“1日あたり3L“と言われますが、
既に足りない計算となります。
ただ、正直この程度なら”まだ許容内”です。
なぜなら、毎日250ml不足しても、
カラダが2%の脱水となる1,600mlの水を失うまで、約6日掛かるからです。
(それまでには給水車などによる応急給水が開始される)
夏場を想定すると危険
しかし、夏場を想定すると状況は大きく変わります。
参考までに、2019年8月の平均気温は28.4度です。
この気温で、エアコンが使えなければ、
少なく見積もって1日あたり1L以上の水が追加で必要となると考えられます。
仮に1日あたり3L×3日分備蓄していても、
2日で使い果たしてしまう計算となります。
そして、3日目には5%以上の深刻な脱水状態となるのです。
給水開始が5日目なら、その時点で生命維持が難しく、
給水ポイントまでたどり着いたとしても、助からない可能性すら出てきます。
備蓄すべき水の量
夏場を想定して、応急給水が開始されるであろう5日まで持ちこたえる水の量は
一人当たり、4L×7日間 = 28L
で考えるのが良いと考えます。
はい、かなりの量です(汗
この量、問題は保管場所ですよね。
高温多湿を避けるとなると、室内保管となりますからホント大変です。
ペットボトル水の保管は高温多湿を避けて、
匂い移りがあるので、匂いの強いものとは一緒に保管しないようにしましょう。
水の防災備蓄に関する不都合な真実
揃える製品は、普通のミネラルウォーターで全く問題ありません。
賞味期限が二年間程度ある物であれば、
防災で長期保存が可能な水でなくて大丈夫なのです。
今回、強くお伝えしたい事は、
水備蓄の更新は基本的に不要!という事実についてです。
水には賞味期限が記載されてますが、
実はこれ、長期間経つと、
「少しずつ内容量が減って記載の容量を満たせなくなる」
という理由から設けられているだけ。
一般的な賞味期限とはかなり意味合いが異なる表記なのです。
つまり、期限を大幅に過ぎても全然飲めるんです!
<参考サイトの一例 >
なぜ賞味期限切れの水は十分飲めるのに賞味期限表示がされているのか?
ほとんどの人が知らないその理由とは
https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20190730-00136183/
一度備えてしまえば、10年以上安心って考えたら、結構気が楽になりませんか?
私は定期的な更新が大変!と感じていて、
やっぱりローリングストックしかないかな?と悩んでいました。
だから、この事実を知って、本当に解放されました(^-^;
これらの常識はかなり古くから言われて来た事です。
テレビなどのメディアでも、いつも言われて来たことです。
しかし、今回ご紹介した水の備蓄でもそうでしたが、
昔から言われる防災の常識が必ずしも正しいとは限りません。
正しく知識へのアップデートが必要です。
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