この記事は以下のような人に役立ちます。
- 防災用品として非常用電源を検討している人
- 防災に非常用電源が必要だと勘違いしている人
- 非常用電源を持っているが、定期的な再充電が必須という事を知らない人
この記事はこんなメリットがあります。
災害時に発生する停電で問題となる事は多数あります。
そのうち、対処が必要で、乾電池など他の方法で対処が出来ないのは「スマホ、ケータイの充電」のみです。
この記事を読むことで、そんなスマホやケータイなどの充電には、
モバイルバッテリーこそ最善の選択である理由が理解出来ます。
高価な非常用電源を備える必要が無いことが分かるので、余計な出費をしないで済むでしょう。
その節約出来たお金を使って、最高の効率で本当に必要な防災用品を揃えましょう。
非常用電源の真実
非常用電源とは
バッテリーを内蔵しており、電源の無い場所や停電時でも100Vコンセントが使えたり、USB機器やシガーソケットなどの接続口から給電することが出来る比較的大型の機器です。
電源の無い場所で電気が使いたい場面で活躍するので、アウトドアや車中泊、防災用として購入する方が多い製品です。
非常用電源は大規模災害時に役に立たない!?
災害時に発生する停電に対して、非常用電源を備えれば安心と思っている方は多いです。
確かに、非常用電源は充電さえしておけば、停電しても様々な100V家電を動かせるので便利です。
しかし、残念ながら、一般家庭の防災用品としてはオススメ出来ません。
なぜなら、防災用品としては、中途半端で、コストパフォーマンスが非常に悪いからです。
そもそも、防災対策とは、命や安全を守る、あるいは快適性を維持する目的で行うものです。
例えば、災害時に起こる停電で失われるのは、温度調節、情報機器への電力供給になのですが・・・・。
まず、この非常用電源で、エアコンなど消費電力の高い機器を動かすことは出来ません。
こう話すと、
「それでも、携帯電話やスマートフォンの充電が出来るじゃないか!」と思う方がいるかもしれませんよね。
しかし、意外と知られていない事ですが、スマホやケータイの充電手段としては変換ロスが大きく、非効率で費用対効果の悪い手段なのです。
また、非常用電源は未使用、保管状態でも自然に放電して、バッテリー残量が減ってしまいます。
そのため、定期的に再充電しなければ、イザという時にバッテリー切れで使えないので注意が必要です。
このような理由から、防災用品としてはオススメ出来ません。
一般の方にとっては、非常用電源のイメージはもっと万能なモノではないでしょうか?
しかし、実際は「必要な防災用品ですらない」程、優先度が低いモノなのです。
非常用電源を防災用品としてオススメしない様々な理由
以下の理由から非常用電源は防災用品としてオススメしません。
- 非常用電源を災害時に使えるようにするのは案外難しい
- 初 期コストが高く、コスパが低い、過剰な容量
- 非常時の使い勝手が悪い
- 廃棄が難しい
防災で本当に必要なのは、スマホ、ケータイの充電対策です。
これについては、非常用電源の問題を完全にではありませんが、解消出来る、大容量のモバイルバッテリーをオススメします。
これらについて説明します。
非常用電源を災害時に使えるようにするのは案外難しい
実は、災害時に非常用電源を役立てる為にはいくつかの条件があります。
これらを満たすのが難しいからこそ、防災用品としてはオススメ出来ないのです。
停電がいつ始まるか?ある程度分かっている
非常用電源は、すぐに自然放電してしまうため、直前に充電することが求められます。
東日本大震災で実施された輪番(計画)停電のように、スケジュールが決まっているのであれば直前に充電すれば問題ありません。
しかし、災害に計画は無いので、この条件を満たすのは難しいです。
だったら、常に充電しておけば良い。とも思うかもしれませが、その場合はバッテリーが過充電状態になりやすく、劣化を早めてしまいます。
そのため、やはり、バッテリーがどの程度自然放電するのか?を予め検証、把握し、適切な間隔で、定期的な充電作業が求められます。
電気が使えない時間が決まっている。
非常用電源で動かせる時間は、数時間~長くて1日程度です。
停電が短ければ対応出来ますが、大規模災害時の停電時間は数日にも渡るので、結局は対応しきれません。
ほんの数時間動作させる為に膨大な手間(定期充電)とコストを掛けることになります。
使いたい家電製品の使用電圧に非常用電源が対応すること
非常用電源にはどの位の電圧(W:ワット)に耐えられるか?が定められています。
そして、一般的に、高出力であればある程、高価で重くなります。
大抵の場合、温度調節を行うようなヒーターやエアコンなどは高出力の為、非常用電源で動かすことが出来ません。
100Vの電力でどうしても使いたい家電が無ければ備える意味がない
USBからの給電で動作する機器であれば、そもそもモバイルバッテリーで動作させることが出来ます。
非常用電源を用意する理由は、家庭用100V電源でしか動作しない家電を、どうしても動かしたい場合に限られます。
しかし、防災として必要なのはスマホと携帯の充電だけで、それらの対策ではモバイルバッテリーが最良の方法です。
実際には100Vで動かさなければならないもの、且つ、非常用電源でも動かせるものはほとんど無いのです。
このように、非常用電源は突発的に、長時間の停電を伴う場合、とても中途半端な存在となります。
ガッツリ備えたいのであれば、非常用”発電機”を備えるのが良いでしょう。
(ただし、発電機は定期的なメンテナンスが必須で燃料や騒音の問題もある)
いつ起こるか分からない災害、数日に渡る停電を前提とするなら非常用電源では対応しきれません。
実質的に絞って考えると、考えなければならないのは携帯電話、スマホ位なのです。
これらを総合すると、一般家庭においては、大容量のモバイルバッテリーを備蓄するのが賢い選択と言えるのです。
初期コストが高く、過剰な容量
非常用電源は、モバイルバッテリーと比べて高価です。
例えば、信頼性のある程度あるとされるアンカー社製で比較すると、非常用電源は約5万円程になります。
一方で、私オススメの同メーカーの大容量モバイルバッテリーは約4千円です。
基本的に、非常用電源って高いですよね。
(逆にこれより安い物は容量を偽っていたり、自然放電の速度が異常に早かったり、発熱や発火のリスクがあったり様々な点で注意が必要です。)
スマホと携帯電話の充電が防災用品として備える理由なので、この観点から容量を考えてみます。
スマートフォンをフル充電出来る回数は以下の通りです。
- 非常用電源 → 約40回
- モバイルバッテリー → 約4回
この比較では、充電可能回数は、10倍程の差があるのが分かります。
もちろん、容量が多いに越したことはありませんが、これは過剰かな?と思うレベルです。
例えば、2人家族でスマホが2台を考えてみましょう。
普通に使って、1日1回程充電が必要だとすると、モバイルバッテリー1つで2日分(2人×それぞれ2回分づつ)まかなう事が出来ます。
東日本大震災の様な大きな災害でも、3日程度で電力の8割が回復している実績があります。
3日分備えるとしても、大容量モバイルバッテリーを2つ(フル充電8回分)用意しておけば十分足りる事になります。
つまり、モバイルバッテリーなら、8千円程あれば、十分な備蓄になります。
一方、非常用電源なら、5万円も掛かることになるのです。
これは率直に勿体ないでしょう。
それと本筋からは外れますが、大規模な停電が発生した場合は、必要に応じて、スマートフォンを、「機内モード」や「非常用バッテリー節約モード」などの節電モードに切替える事をオススメします。
このように、電池消費を節約することで、さらにバッテリー切れの心配がなくなります。
非常時の使い勝手が悪い
非常用電源は持ち運びや、保管の面でも使い勝手が悪いです。
重い(4kg~)ですし、サイズも大きいので、避難所への移動も現実的ではありません。
定期的に充電するにしても、出して、充電するのは結構大変です。
一方、モバイルバッテリーであれば、片手で簡単に取り扱えて、使用する場所も選びません。避難所への持ち込みだって全く問題ないでしょう。
それと、モバイルバッテリーは、小型のソーラーパネルを準備しておけば、災害時でもかなり手軽に充電する事が出来ます。
逆に、非常用電源は充電時にかなりの電力を使用するので、一部の高出力大型ソーラーパネルでしか充電する事が出来ません。
廃棄が困難
非常用電源も、家電と同じで、一生使えるわけではありません。
そんな非常用電源は買い替え、故障の時、廃棄が大変です。
自治体により、取り扱いが異なるので、廃棄にお金が掛かるケースもあるでしょう。
何より、どうやって捨てるの!?となるので、もし購入を検討される場合は、廃棄についても考えて購入することをオススメします。
大規模災害で起こる停電対策として重要なのは、ケータイとスマホの充電対策です。
イザという時、連絡出来ない、情報収集出来ない!なんてことにならないように、信頼出来るメーカー、容量でモバイルバッテリーを備えましょう。
また、モバイルバッテリーには通常ガラケーの充電プラグは付属しません。
ガラケーの方はUSB→ケータイ充電用のアダプタを揃えましょう。
そして、既に非常用電源を備えている方は、定期的な充電を忘れずに実施しましょう。
充電を怠れば、イザという時、バッテリー切れになっていて、ただの置物になってしまいます。
こんな残念なことをはありません。十分注意しましょう。
是非、これを機会に、今から出来る災害対策を取って頂ければ何より嬉しいです。
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