地震や台風など、いざという時、頼りにするのは防災グッズです。
その重要な“防災グッズの揃え方“には、多くの人がやってしまう、
“残念な揃え方“があるのをご存知でしょうか?
それは、
防災グッズを“セット“で買う
という揃え方です。
実はセットで揃えてしまうことで、色々な問題を抱えてしまうのです。
現代は、ほとんど選択肢が無かった昔に比べ、
星の数ほどの防災グッズが存在します。
そのいっぽうで、残念ながら、
ほとんどの人は自分に必要な防災グッズが分かっていません。
この状況で正解を選ぶのは本当にむずかしいのです。
こうなると、個別に最適な防災グッズを揃える。のではなく、
“セットで買ってしまおう!“となってしまうわけです。
一見、防災士監修など、プロが選んだ製品なら安心出来る、
失敗無さそうに思えるかもしれません。
しかし、そこには確実に”落とし穴”があるのです。
この記事を読んで頂ければ、
以下の2点について理解することが出来ます。
- 防災グッズをセットで購入すべきでない理由
- あなたに合った防災グッズの揃え方
防災グッズをセットで揃えることの問題点
- 無駄なモノが含まれる
- 必要なモノが含まれない、足りない
- 値段の割に品質が悪い
- 装備の内容を十分理解出来ない
- 防災知識が育たない
無駄なモノが含まれ、必要なモノが含まれない、または足りない。
必要な防災グッズは人それぞれ全く異なります。
例えば、“国内旅行用品セット“という商品があったとします。
販売ページでは、こんなことが書いてあります。
・トラベラーに必要な物を揃えました!
・これを買えば、国内旅行は安心!
・ドライヤーから下着、歯ブラシまでセット!
・旅行のプロ監修!
さて、あなたが旅行に行く時、このセットを買うでしょうか?
ホテルには室内着、歯ブラシ、ドライヤーはあるでしょうし、
無くても家から持って行けばいいと感じるはずです。
入ってる下着は男性用?それとも女性用でしょうか?
-男性には女性用は不要です。
-女性にとっては男性用が不要です。
-男女兼用なら、専用品よりも快適性が劣ります。
こんな中途半端な商品、買わないですよね。
“ある人にとっては必要な物でも、
同時に、別の人にとっては不要な物になるのです。“
考えてみれば分かる事ですが、
”完璧な防災グッズ詰め合わせセットは存在しません。”
皆さん勘違いしていますが、防災セットはどれも単独で完璧ではありません。
防災グッズセットは、命を守る最低限の装備です。
”それぞれに足りない物を揃える”という作業を前提としているのです。
例えば、女性なら、生理用品が必要でしょう。
乳幼児がいるなら粉ミルクと水などが必要でしょう。
また、防災グッズに含まれるグッズでも”量が足りない”事もあります。
例えば、避難用の500ミリのペットボトルしかない場合は、
最低限避難後の生活用に数リットルの水備蓄追加が必要です。
でも、「追加で装備が必要」と教えてくれる販売業者はいません。
この事実を知らず、セットだけ購入して安心しているのはとても危険です。
“いざという時、あれが足りない、これが足りない、こんなの要らない・・・・。“
という状況に陥りますので注意が必要です。
防災グッズを揃える時、最低限、以下のような目線で考える必要があります。
<住まいの環境>
戸建て、マンション、アパート、居住階
<周辺のハザード情報>
洪水、土砂災害など
取れる対策、備えるべきグッズが変わってきます。
<避難想定>
在宅避難or避難所
運びやすさ、量など避難グッズの種類が大きく変わります。
<家族構成>
人数、高齢者、子供、女性、病人、ペットなど
配慮が必要な家族がいるなら、
災害時になかなか手に入らない物を中心に備えます。
値段の割に品質が悪い。
防災グッズセットに含まれる製品は、
”安価で性能が低い製品”が多く、コストパフォーマンスが悪いです。
また、十分な性能を持たない製品は、
いざという時、使えない事も多いので注意しましょう。
防災グッズの中身を理解出来ない。
災害時に「自分の装備を十分理解しているか?」は運命を大きく分けます。
自分の防災グッズの中身を理解していないのは、
例えて言うなら、“自分がどの位の水を持っているか分からず行動するような状況“です。
水が沢山あるのに、水が無くなるの恐れて飲まなければ、
無駄に脱水になります。
逆に、水があまり無いのに、手洗いなど無駄に使ってしまえば、
飲み水が足りなるでしょう。
自分の持っている水の量(つまり防災グッズの量や性能)、
適切な使い方を事前に理解しておく事がとても重要なのです。
また、防災グッズにはどうしても、
使用期限や賞味期限のある物が含まれます。
これらは期限が切れる前に交換しなければなりません。
しかし、セットで買うとそもそも期限を把握していない事が多く、
交換自体を忘れてしまいます。
そして、仮に交換しようと思っても、自分に必要な性能もわかりません。
結果、何を買ったら良いのか分からず、
あまり良くない物を買ってしまう可能性が高まるのです。
防災知識が育たず、関連知識、知恵がつかない。
私は、”防災グッズよりも防災知識が大切だ”と考えています。
防災知識は常にあなたと一緒にあり、
コストや保管スペースを取ることもありません。
被災場所や、災害の種類、自宅のダメージ次第では、
何の備蓄も持たずに避難するしかないかもしれません。
そんな時でも頼りになるのは防災知識です。
知識があれば、無い人よりも”安全、快適に過ごす選択”を取ることが出来るのです。
防災セット購入の場合、買ったら完了!と考える方が多いです。
そういう人は、その他の防災関連情報が圧倒的に鈍感になり、情報収集をしなくなります。
そうなると、防災知識として地味に重要になる、
・災害時にどんな事が起こるか?
・注意が必要な事は?
・どの様な物が不足するのか?
・実際の被災者はどんな教訓を残してるのか?
といった情報に触れる事も無くなるのです。
その様な人は、なんとなくテレビで流れている表面的な情報だけを信じ、
それで大丈夫だと思っているのでしょう。
それ、大間違いです!
例えば、懐中電灯が必要なのは停電が起きるからだと分かりますよね。
でも、停電で本当に役立つのは“両手が使えるヘッドライトだという教訓“にはたどり着きません。
ヘッドライトは、“どこかへ引っ掛ければランタンとしても使える“といった知恵に触れる事も無いのです。
このような知識、知恵の差はいざという時、
安全に行動する上でも、生活の質にも大きく影響するのです。
オススメの防災グッズの揃え方
私がオススメする防災グッズの揃え方は、
“ちょっとずつ、ちょこちょこ防災準備“です。
ちょこちょこ防災ってこんな感じ
- セットで一気に揃えようとしない。
- 自分の環境を確認して、ちょっとずつ備えを強化する。
- ちょっと気長な防災準備。
ちょこちょこ防災のデメリット
でも、やっぱりちょこちょこ防災にはデメリットがあります。
それは以下の様な事
- 揃えるのに時間と手間が掛かる。
- どこまで備えるか、自分で決定する必要がある。
揃えるのに時間と手間が掛かる。
災害はいつ起こるか分かりません。
その為、理想を言えば、なるべく早く揃える事が必要だと思います。
しかし、この“ちょこちょこ防災“は負担を軽減する一方で、
揃え終わるまでに時間が掛かります。
また、基本的には情報収集が必要なので、手間も掛かります。
「モタモタしてたら、災害来ちゃうじゃん!」
はい、その通りです。
でも、極論、災害のスパンは割と長めなので、現実問題にはならないと考えます。
今からちょこちょこ防災を初めて半年以内に大災害が来たら・・・
こうなったら、諦めましょう(汗。
それは相当運が悪いとしか言いようがありません。
この備える前に災害が来たら?というのは、
備え完了までの半年を1週間にしても同じことが起こるともいえます。
明日に大地震が起こっても不思議ではないのですから。
なので、私はそんな心配せず、
今できる範囲で着々と準備を進めるべきだと思うのです。
どこまで備えるか、自分で決定する必要がある
ちょこちょこ防災は、対策内容に濃淡がつけられるなど、自由度が高いです。
しかし、裏を返せば、それは何日分備えるか?
どの程度のレベルの災害を想定するか?なども自分で決めなければなりません。
私がオススメする目安は、南海トラフ大地震など、
「自分の地域に最大の被害をもたらす地震の被害想定」を参考にする事です。
具体的に言えば、一週間程度がオススメです。
ちょこちょこ防災準備のメリット
- 不要な物を買わないからコスパが良い
- 自分に最適化された防災グッズが揃う
- 一度にお金が掛からない。
- 環境変化があれば自分で再調整出来る
- 防災グッズの装備を把握、理解出来る
- 防災知識が自然と身に付く
不要な物を買わないからコスパが高い
自分たちに必要な防災グッズだけを揃える事が出来るので無駄がありません。
また、性能の良い製品を選べるので、
いざという時に役に立たないリスクを下げることが出来ます。
自分で揃えるから、自分に最適化された防災グッズが揃うのもメリットです。
“力を入れたい所は充実させ、重要と感じない事はお手軽にすませる“など、
濃淡をつけて防災対策が出来ます。
一度にお金が掛からない。
十分な防災グッズを一度に揃えようとすると、かなりの金額となるでしょう。
だからこそ、まとめてセットの防災グッズが手頃な値段で売っていると妥協し、大丈夫だと自分に言い聞かせる事になるのです。
一度に何万円も出費なんて無理!って方は多いと思います。
“ちょこちょこ防災“なら、
自分のペースで製品を吟味しながら防災グッズを揃えられます。
無理して一度に買う必要はないのです。
もちろん、無計画に先延ばしにしては絶対にいけません。
それでは、結局いつまでも防災グッズが揃わなくなってしまいます。
あまり長くなりすぎない程度、普通のペースで半年を目安に完了させましょう。
資金的に厳しければ、一年、長くても二年以内で揃え終わる様に計画しましょう。
防災グッズの内容を十分に把握、理解出来る。
先に説明した通り、災害時には「自分の装備を理解しているか?」は運命を大きく分けます。
個別に揃える事で、備えた時点で、各グッズの特性や利用シーンがイメージ出来ています。
これは、いざという時、備えた防災グッズの効果を最大にする事に大きく貢献します。
-いつ使うか分かる。
-すぐに使える。
-どれくらい使えるのか分かる。
-どんな事に注意するか分かる。
環境変化があれば、自分で再調整出来る。
結婚、出産などで家族が増えたり、家族が病気、高齢になって避難が難しくなったなど、まわりの環境が変わる事があります。
そんな時にも、必要な製品を選び、再調整が出来ます。
普通に考えれば、防災セットで買った人でも、自分で再調整が可能なはずです。
しかし、セットで揃えている人は自分の防災グッズセットの内容を十分に理解していません。
その為、”どこまでがカバーされているのか”を理解出来ず、
再調整が必要という考えに至らないのです。
防災知識が自然と身に付く
防災グッズにはそれぞれ、
何の為に備えるか?
どんな時に備えるか?といった前提があります。
商品を選ぶ際は、それらを知らなければ最適な製品を選ぶ事は出来ません。
調べるうちに、被災者の教訓に学び、災害時はどんな状況になるのか?といった情報に触れるでしょう。
それらは自然と防災知識を高めてくれます。
無駄に心配し過ぎるのは、もう止めましょう!
メリット多い“ちょこちょこ防災“のススメ
セットで防災グッズを揃えてしまうと、デメリットが多い事は少し理解頂けたと思います。
私は、納得の行く防災グッズセットが無かったから、個別に揃え始めました。
そして、結果的に、“ちょこちょこ揃えた“のですが、
振り返ってみて、「防災グッズをセットで買わなくて良かった!」と強く感じています。
知識はついたし、セットで使えない商品を買わずに済んだと感じるのです。
未だに、数万円する防災グッズには何が入ってるの気になって、
中身を見るのですが、やっぱり残念な製品が含まれてるんですよね・・・。
逆に、商品紹介の書き方は上手いなぁ。と感心しちゃいます。
そう書くか!っという感じ。
ホント、うまーく、デメリットには触れないんですもん(汗
これを読んでる方には、
コスパが高く、賢く、性能の高い製品を揃えられる。
“ちょこちょこ防災準備“をオススメします。
私は”ちょこちょこ防災”をオススメしてきましたが、
どの様に防災グッズを揃えるかは全てあなた次第です!
もし、既に防災グッズセットで揃えてしまったという方は、
中身を一度出して、実際に使えるのか?可能な範囲で試してみましょう。
また、期日管理が必要な物はオンラインのカレンダーに記載するなど、
交換時期忘れないようにするのが良いでしょう。
「何から始めるべきか分からない」
という方は、以下の記事から読むことをオススメします。
是非、これを機会に、今から出来る災害対策を取って頂ければ何より嬉しいです。
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当サイトでは他にも防災に関する役立つ情報を載せていますので、
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